NPO法人 基礎知識
NPO法人とは
NPO法人とは、特定非営利活動促進法(NPO法)に基づき、所轄庁(都道府県又は市)の認証を受けて設立された法人格をもった法人です。
※正式名称は「NPO法人」ではなく「特定非営利活動法人」と言いますが、当サイトでは便宜上、「NPO法人」と記載します。
以前からボランティア活動などの社会貢献活動を行う、営利を目的としない団体の総称として、NPOという言葉は使われていましたが、法人格がないために、銀行口座の開設や事務所の賃貸の際に支障がでる場合がありました。
こうした状況を改善するために、特定非営利活動促進法(NPO法)を制定し、都道府県知事等の認証などの所定の手続きを行うことで、法人格を持つことができるようになったのです。
NPO法人は資金なしに設立できる点に最大の特徴があります。資本金も0・申請手数料も0・登記手数料も0なのです。
1998年に特定非営利活動促進法(NPO法)ができてから、3万以上のNPO法人ができており、今後も様々な分野での活動が期待されているところです。
NPO法(特定非営利活動促進法)とは
「特定非営利活動促進法」は、1998年12月に施行された法律で、通称「NPO法」と呼ばれています。この法律により、民間非営利組織が法人格を取得しながら社会の中で活動を行い、組織として社会的な契約を結びやすくなりました。
また2001年10月より、特別に認定されたNPO法人(認定NPO法人)に寄附した個人や企業などは、税控除が受けられるようになりました。しかしながら現在は、認定NPO法人になるための要件が非常に厳しいと言われており、要件の緩和が求められています。
NPO法人と会社の違い
NPO法人と通常の会社組織(株式会社・有限会社等)ではどのような違いがあるのでしょうか。
会社という形態は事業を通して利益を上げる事を目的としますが、NPO法人は営利を目的とせず、特定非営利活動を通して社会的な使命の実現を目指す団体です。
このような書き方をすると、NPO法人は一切利益を出してはいけない。無償のボランティアと同一に思われがちですがそうではありません。
「非営利」とは利益を社員に分配してはならないという意味であって、活動を通じて事業収入を得ることや社員が労働の対価として給料を受け取ることは認められています。
事業内容
NPO法人では、活動内容(事業目的)は基本的には非営利事業でなければなりません。
例えば「社会教育の推進を図る活動」など、主たる事業が20分野の非営利活動 のいずれかにあてはまらなければなりません。
会社の場合は、営利事業であって適法な事業であれば、基本的には事業内容に制限はありません。
設立期間
NPO法人は、認証申請をしてから所轄庁に認証されるまで、通常4か月かかります。さらに、書類作成など準備期間も考える必要があります。
一方、会社の設立期間は、準備期間も含めて約1ヶ月程度で設立できます。
設立費用
NPO法人と会社とで最も大きく違うのは、設立にかかる費用です。NPO法人は、資本金ゼロ、認証手数料や登記費用もゼロと、設立に関して費用はほとんどかかりません。
それに対して会社では、資本金が必要で、法定費用もかかります。
| NPO法人 | 株式会社 | 合同会社 | |
|---|---|---|---|
| 資本金 | 0円 | 1円~ | 1円~ |
| 定款認証手数料 | 0円 | 52,000 | 0円 |
| 定款印紙代料 | 0円 | 40,000円 | 40,000円 |
| 登録免許税 | 0円 | 150,000円 | 60,000円 |
| 合計 | 0円 | 242,000円 | 100,000円 |
20分野の特定非営利活動
NPO法人の活動は、次の20分野のいずれかに分類される特定非営利活動に限定されています。(NPO法第2条2項)
- 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
- 社会教育の推進を図る活動
- まちづくりの推進を図る活動
- 観光の振興を図る活動
- 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
- 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
- 環境の保全を図る活動
- 災害救援活動
- 地域安全活動
- 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
- 国際協力の活動
- 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
- 子どもの健全育成を図る活動
- 情報化社会の発展を図る活動
- 科学技術の振興を図る活動
- 経済活動の活性化を図る活動
- 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
- 消費者の保護を図る活動
- 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
- 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動
また、上記の活動は、不特定かつ多数の人の役に立つものでなければなりませんので、特定の個人や団体のために活動する場合は、NPO法人として認められません。(NPO法第2条1項)
例えば、「いじめにあっているA君を救う」ことを目的とするようにある個人限定ではなく、「いじめにあっている人々を救う」ことを目的とするように、対象が限定されておらず、ある程度幅を持ったもので、社会全体の利益につながるものである必要があります。
ただ、活動の性質上、利益を受ける方が限定されたり、結果的に少数であっても、実質的に、社会全体の利益となる場合には、特定非営利活動として認められます。
実際の活動事例
具体的には下記のような活動をしているNPO法人があります。
- 老人の介護サービスをする。
- 異常気象を研究し、環境教育を支援する。
- 情報通信の開発をして快適なまちづくりを図る。
- 地域の警備をし、安全で住みやすいまちづくりを図る。
- 外国人との交流を深めるサークル活動をする。
- ごみを少なくするため、リサイクルの研究をする。
- 山の環境保全活動をする。
- 託児所を作り、働く女性を支援する。
- 不登校の子どもへ勉強を教える。
- 地域で縁日を行い、まちづくりに貢献する。
- 留学生に日本文化を教える。
- 文化交流によって世界平和を推進する。
- 演劇を通して人間性豊かな社会をつくる活動をする。
- 災害に遭った、被災者の救援活動をする。
- アスベストの研究をする。
- 詐欺被害者に対して救済活動をする。
- セクシャルハラスメント被害にあった女性への理解と支援をする。
- 女性の再就職を支援する。
- 子どもたちへの絵画教室を開催し、豊かな心を育成する。
- 街に緑を増やし、地球温暖化防止の活動をする。
- 高齢者へのパソコン教室を開き、情報化社会への支援をする。
- 犯罪被害者に心のケアをする。
- 伝統芸能を普及し、保全する活動をする。
- 少年野球チームを作り、交流を深める。
NPO法人設立のメリット
1.社会的信用の向上
法人格を取得せず任意で活動しているNPOもありますが、法人として活動しているほうが安心感を与え、信頼感を増すことができます。
2.法人名での契約や登記ができる
平成10年12月1日にNPO法が施行されるまでは、民間の非営利団体は任意団体(個人の集合体)として活動してきました。
この法律が施行されてからは、NPO法人として法人格を取得することにより、法人名で登記をしたり、契約できるようになりました。
3.法人名で銀行口座の開設ができる
任意団体では個人名の銀行口座で処理するため、経理上、トラブルが起こる可能性があります。NPO法人名の銀行口座にすることにより経理が明確になります。
4.優秀な人材を確保できる
勤務する側の立場から考えれば、任意団体よりもNPO法人の方が信用度もあり、人材の確保には有利です。
5.事業委託や補助金が受けやすくなる
行政からの事業の委託や補助金は、対象者を法人に限定しているところも多く、今後の事業の継続・発展を考えた場合に有効な手段になります。
6.寄付金を集めやすい
公益的な組織であるNPO法人であれば、信用が高まりますので、趣旨に賛同して「スポンサー」に寄付を依頼する際にも、アピールになります。
任意団体では、寄付金を募るのも困難ですし、たとえ趣旨に賛同してくれたとしても、個人名義の口座に振り込むのでは、スポンサーにとっても寄付するのに躊躇するでしょう。
(任意団体では法人格がないので、法人名義の銀行口座が開設できず、代表者の個人名義になってしまいます。)
7.独自の税金制度と節税対策
通常の会社であれば、売上げから経費を引いたものに法人税がかかってきますが、NPO法人であれば、活動によっては通常の会社では課税だった事業が、全く非課税になってしまうような事業もあります。
NPO法人設立のデメリット
1.設立手続に手間と時間がかかる
NPO法人は株式会社や合同会社と比べて、提出書類が多いことや認証申請から2ヶ月間の観覧期間があることで認証されるまでに3~4ヶ月位の期間が掛かるというデメリットがあります。
2.設立後の事務手続きの増加
毎年、事業報告や収支計算書などの資料の備付けと、その資料の情報公開が義務付けられていることで、厳正な事務処理が必要になります。
※所轄庁への毎年の事業報告を3年怠ると、認証取り消しになりますのでご注意ください。
